ひとさじの砂糖とうたかたの日々の泡

一匙の砂糖に似たささやかな幸せや、 取るに足らない日々の泡の記録。

憧れの文房具店、『カキモリ』でオリジナルノートとオリジナルインクを作成したお話。

さて。
長々と書き記してきた『東京御洒落探訪』。

最後の記事は長年憧れ続けた文房具店、

カキモリ

に行ってきたお話です。

 
Nicolas HOUSEを後にして向かったのは江戸情緒の残る下町、蔵前。
ここに書くことをテーマにした文房具店、『カキモリ』はあります。


自分の思いが最も伝わりそうな色のインクで。

自分のお気に入りの表紙と紙を選んで作ったとびきりのノートに。

自分が一番書きやすいペンで。


そんな風に、『書く』ことに主軸を置いた文房具店、『カキモリ』。

今回東京に行くことが決まってから、一番行きたかったお店でした。


元々、ノートや手帳という「何かを綴るためのもの」がとても好きで。
まっさらなノートや手帳を買うと、未だにまず何を書こうかとワクワクします。
恐らく、手の中にある新しい、小さな箱庭にどんな世界を展開しようか、というようなワクワク感なのだと思います。
子どもの頃に新しいノートを買ってもらって、お気に入りの色のサインペンで早く何かを思いっきりかきたいのだけれど、まず1ページ目の一番最初に何を書こうか迷ってしまう。
好きな言葉にしようか。
それとも好きなものの絵にしようか。
いや、日付がいいかもしれない。
でも自分にしかかけないような、もっと特別なものがいい。

そんなありふれた感覚。


『カキモリ』では、自分で選んだ表紙、本文用紙、リング、留め具でオリジナルノートを作成することが出来ます。

自分の好みの表紙に、本文用紙、おまけにリングや留め具などのオプションまで好きにできるなんて……と、初めてこのお店の存在を知った時には大袈裟でも何でもなく、居ても立っても居られないような気持ちになりました。

そうして。
念願叶ってようやく訪れることができた『カキモリ』で、今回私の作成したノートがこちらです。

f:id:scfedxxxx:20150917145410j:image

とにかく好きな要素だけを迷わずに詰め込みました。

B6サイズで、表紙は9月から仲間入りしたという『レガーロパピロ』さんのラッピングペーパー。
燻んだ青にピンクと紺で手描きの花が刷られています。
オールドローズのようなころんと丸みのある花柄で可愛らしいなぁと即決。
アンティークプリントで印刷されているとのことで、独特の色味がある反面色移りしやすいそう。
そのため、色移り防止のカバーとしてPP版がセットになって販売されています。

f:id:scfedxxxx:20150917145422j:image

PP版をめくるとこんな感じの鮮やかな色味。
PP版をしたままの色も、曇りガラス越しに見るような柔らかな風合いで私は大好きです。

留め具は花の色に合わせて鮮やかなピンクに。
ペン差しが付いているバージョンもあったのですが、今回はシンプルに留め具のみのものにしてもらいました。

中身はどうするか迷ったのですが、とある用紙を見つけてこれまた即決。
それが、これ。

f:id:scfedxxxx:20150917145437j:image

2016年の年間カレンダー。
淡いグレーの厚みのある紙に、白の活版印刷で2015年12月から2017年1月までのカレンダーが印刷されています。
これを見つけた瞬間、「スケジュール帳にしよう!」と決定。

f:id:scfedxxxx:20150917145448j:image

罫線の色が淡く写真に写りにくかったのですが、マンスリーはこんな感じ。
1袋で13ヶ月分入っていました。

ウィークリーはまた別の手帳を買う予定なので、残りのページはメモに。

f:id:scfedxxxx:20150917145500j:image

トモエリバーの方眼用紙です。
ほぼ日手帳ユーザーなので、トモエリバーが使い慣れていて親近感もあるのです。
無地やドット方眼もありましたが、ブロックの方眼が好きなのでこれに。

f:id:scfedxxxx:20150917145509j:image

裏表紙はシンプルにグレー。
リングは書きやすさを考えて上下留めのみの、ゴールドにしました。

一刻も早く使い始めたいのですが、12月までは我慢。



そしてノートと同時に心から楽しみにしていたのが、オリジナルのインク作成。

『カキモリ』のお隣に『ink stand by kakimori』というお店があります。
これはその名前通り、自分自身でインクの混色をし、自分だけのオーダーインクを作成することができるお店です。

カウンターにある混色キットを使用して自分の好みの色を作成していくのですが、これがとても楽しい!!

16色の原色からまずベースとなる1色を決定し、そこにアクセントとなる色を加えていきます。
アクセントカラーは2色まで、トータル3色で色を調合。
それぞれの配合量が重要になるので足す時は1滴1滴、丁寧に。
小さなカップに落としたら硝子棒でよく混ぜ、ガラスペンで試し書きをして色を確かめます。
こうして混色と試し書きを繰り返し、好みの色が出来上がればスタッフさんにその配合をお伝えして、インクを作成してもらいます。

このインクの調合が、まるで理科の実験でもしているようで。
ほんの1滴が与える影響の大きさに驚いたり、予想外の色の出来上がりに目を瞠ったり……と本当に楽しい体験でした。

お店のインテリアも細いメスシリンダーに入った色とりどりのインクや、シンプルな木の棚に並んだ数々のインク瓶……と、とてもスタイリッシュで素敵。

インク作成だけにしようと思っていたのですが、あまりの素敵さに思わず万年筆セットを購入してしまいました。
嗚呼。


f:id:scfedxxxx:20150917145521j:image

箔押しのカキモリロゴが可愛い。
こんなことだけで幸せになれるから、私は単純だなぁと思います。

中を開けるとこんな感じ。

f:id:scfedxxxx:20150917145530j:image

万年筆と作成したインクが収められています。

f:id:scfedxxxx:20150917145545j:image

今回作成したのは、私が一番好きな色である、少しグレーがかった淡い菫色。

f:id:scfedxxxx:20150917145554j:image

作成したインクのレシピカードも頂けるので、再び同じインクを購入したい場合はこのレシピカードを店頭に持っていくと同じインクを作成して頂けるそうです。

f:id:scfedxxxx:20150917145604j:image

セットの万年筆はキャップの縁がゴールドで彩られており、カキモリの名前が刻印されています。

f:id:scfedxxxx:20150917145616j:image

クリアにゴールドの組み合わせが美しい。
万年筆自体はセーラーのもので、取扱説明書も付属しているので安心。
硬めの書き味ですが、それほど引っかかる感じはありません。
万年筆としては結構細字なので手帳なんかにも充分使えるんじゃないかなぁと思います。

f:id:scfedxxxx:20150917145358j:image

とにかく私の好きなものだけを朝から晩まで追い続けさせてもらった1日でしたが、締め括りにここに来ることができて本当に大満足。
妹と、妹の恋人さんにはここで御礼を申し上げたいと思います。ありがとう。


そしてこの2日間でどれほどの『お砂糖』を補給したのやら!と思います。

ブログタイトルにもある、『ひとさじの砂糖』は大好きな映画、『メリーポピンズ』から取ったものです。

ひとさじの砂糖があるだけで
苦い薬も飲めるのよ

(A spoonful of suger helps the medicine go down.)

出典:A spoonful of suger / Richard M.Sherman,Robert B.Sherman


この時々の『ひとさじの砂糖』を補給しながら、
ここで取るに足らない『うたかたの日々の泡』を綴っていけたらなぁと思っています。

どうぞ、改めてよろしくお願いいたします。